車上生活で本を書く 青井硝子のケイトライフ

軽トラック上に家をDIYして車上生活する方法や、住所不定のままお金を稼ぐ方法、小説家になる方法などを記録していきます。普段は川原でBライフ的田舎暮らしをしたり、都会の駐車場にモバイルハウスで生活してます。ノマド生活や肩肘張らない起業に興味ある方はぜひ。

ライブロック発見!

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海のものを食材にするというのは、意外と難しいものがある。

漁師の経験は実は言うほどなく、サカナを取るためのノウハウは全て船に積まれた機材を操作するためのものだ。
刺し網もやったが、それすら小舟と網師の網を必要とする。
一部の農家は自分のものだけで食卓のほとんどを賄えるが、漁師はそれは難しいと思う。
せいぜいメインディッシュと味噌汁の具、それが関の山だ。

漫画「ぼくんち」で、主人公の二太が「食べるもんなんて海から取ればいい。こう岩ノリをびゃっとひっぺがして」と言ったけれども、それは二太の幼児性の表現だったんだなぁと今更ながらに気付いた。

海で自給自足なんかできるわけがない。


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なんかこう、米に代わる海藻かなんか生えてないかなー
なんて妄想しながら堤防を歩いていると、まさか米ではないが、とある白いものを発見した。


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サンゴ。

サンゴだ。生サンゴ。
いや、折れて打ち上げられて干からびているから干しサンゴなのだろうか。

ハードコーラルと思しき白い石灰の上に、赤いソフトコーラルが今しがたまで生きていたかのようにへばりついて干からびている。
こんなの初めて見た。


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よくよく見たらけっこうな数がテトラポットに挟まっている。

……海水魚やってる人に売れそう。
形が悪いから500円くらいの価値しかなさそうだけれど。



この近くで土産物屋をやっている店主さんに話を聞いてみたところ、こういった白浜のサンゴは知る人ぞ知るガンの治療薬なのだそうだ。
コーヒーのミルサーか何かに突っ込んで、粉末状にして飲むのだそう。
ただ、いくらサンゴでも天然そのままやそこらの粗悪品じゃあダメだとのこと。
天然物はナトリウムが蓄積しているし、そこらで売っているものだと塩素で漂白してしまっている。
だから、南紀白浜の天然温泉でナトリウムを洗い流しつつ漂白することで、サンゴ由来の生命パワーをそのままいただくことができるのだとか。

極めてうさんくさい話ではあったが、金に糸目を付けない人たちが数万数十万をポンと出してサンゴ塊を買っていくのは事実なのだろう。その土産物屋の品物はけっこうな率で回転していた。


おじいさんの経営するその土産物屋は半分以上は道楽だそうで。
写真を撮り忘れたが、500円のおもちゃのほら笛の隣に500 万 円の貝が売られていた。ウン十万するサンゴ塊が山と積まれて通路を形成し、クジラの骨を彫って作った神の像が200万する石を踏み台にして鎮座ましまし、レンズ会社に特注で研磨してもらった巨大水晶がボーリングのたまのようにその辺に転がっていた。
想像がつかなければ、桃太郎帰還後のおじいさんで間違いない。おむすびころりん後の正直じいさんでも可。

なんでも、本業は南高梅の販売なのだそうで。
先祖代々の土地が年商50億を生み出すそうで。
蓬莱の珠の枝は、むしろ実家の梅の木のほうなのだそうで。
(サンゴ採取は全ての企業、個人、研究者に禁じられているが、唯一その店主は「昔から生業としている」という理由でOKになっているらしい。おそらく地元の議員や町長などに鋭い串が刺されている)

いやはや、言葉もない。
ちなみに道を挟んで隣の店は、その道楽を支える梅の樽で埋まっていた。


ただ、そういった自慢話を延々と聞いても、不思議と嫉妬は感じなかった。
自分があまりそういう感情を抱かない性質というのもあるのだろうけれども、何よりそれを語るおじいさんが心底嬉しそうだったから。

唯一わいた感情は、大腸ガンで死んだ友人にこの塊を粉にして飲ませたら未来は変わっただろうか、という思いだった。


おじいさんからありったけの話を聞かせてもらったあと、500円でおもちゃの笛を買ってみた。
今の自分にも手が届くその笛がどんな音色なのかを確かめるために、またいつもの堤防に戻った。


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